皆さん、物を買ったら長く使いたいと思います。また、できるだけ高性能にしたいのでは無いでしょうか? だから、色々調べて手入れや改造をします。 しかし、多くは効果が無かったり、逆に寿命や性能を低下させてしまう欠点もあります。
もちろん、儲けだけを考えて射幸心を煽るアフターマーケットメーカーや今だとアフィリエイト目的のブログ記事が問題だと考えます。しかし、最も悪いのは自分自身です。
公式情報が堅い
全く夢も無いのですが、公式情報が堅いです。例えば自動車だと過去に色々な「怪しげなグッズ」が販売されていました。燃費向上、性能向上、寿命が上がるとかです。オイル、ワックス、ボディコーティング、エンジン内部のコーティング、電源安定化、抵抗の少ない配線、電気を貯めて安定化させる装置などありました。
しかし、本当に良くなるのであれば、週刊誌の後ろになど広告しません。自動車メーカーに提案し純正採用してもらえば良いだけです。1%の燃費向上、馬力アップが本当に出来れば自動車メーカーは絶対に採用します。
そのため、メンテナンス方法は、製造者や店に聞くのが一番です。正しくて安い方法を教えてくれます。
チェーンあれこれ
自転車やオートバイのチェーンのメンテナンスはご存知でしょうか? 多くの人は知識はないに等しいです。そして、チェーンだったら全て同じメンテナンス方法だと思っています。しかし、使われる分野で全然方法論が違ったりします。
まず、自転車や馬力の低いオートバイはノンシールチェーンと言われる物が使われています。チェーン全体の潤滑をあっさりとしたオイルを内部に浸透させます。メンテナンス方法としては、パーツクリーナーでチェーン内部と外部の汚れを洗い流し、新しいオイルを注入します。髪を洗うような感じで、全体をキレイにした後にリンスやコンディショナーでケアする様な方法です。 ちなみに、自転車でも本当の外部にオイルは付いている必要がありません。 チェーン同士とスプロケット、チェーンリングとの摺動面だけに付いていれば良いです。
一方、高馬力のオートバイにはシールチェーンと言われる内部にグリスが封入されているチェーンが使われています。このタイプのチェーンはチェーン同士の潤滑はそのグリスだけで行われます。そして、その部分はメンテナンスフリーと言うかできない構造です。メンテナンスするのはチェーンの表面です。クリーナーで表面の汚れを落とし、その後で粘度の高いオイルを塗ります。 粘度が高い理由は自転車より高回転だからです。それに耐えられるように高粘度です。オートバイのチェーンの目的は、サビ防止とチェーンとスプロケット間の潤滑です。
間違ったらどうなるか?
自転車のチェーンにオートバイのオイルを塗った場合はペダルが重たくなります。理由は粘度が高いからです。 もし、塗ってしまった場合は大量のパーツクリーナーで汚れを除去する必要があります。 バイク用のチェーンメンテナンスキットはホームセンターとかで安売りしていますが、決して自転車用としては買わないで下さい。
反対にオートバイに自転車用のメンテナンスをしてしまった場合はどうなるでしょうか? まず、浸透性の高い油を使うと内部のグリスを封入している「シール」と呼ばれる樹脂製の部品を侵食します。また、油が内部に浸透してグリスを洗い流してしまいます。 これによりチェーン間の潤滑が不十分になります。 他には、チェーン表面の油に粘度がないためチェーンの高回転で飛ばされて潤滑不足になります。こちらも良いことがありません。
買った店に聞くのが正解
自転車、バイク、楽器、スポーツ用品、工具など疑問があったら買った店に相談するのが近道です。言えているのは私より知識は絶対にあります。
最初から正しい知識でメンテナンスをしていれば、間違ったものを買う事もないし、故障や性能低下を起こすことはありません。色々調べるより、聞く技術は重要だと考えます。