皆さん、「人のやる気」は信じますか? 会社の採用で「未経験者もやる気があればOK」みたいな求人広告を見たことは多いのでは? でも、「やる気」だけで人を判断すると大きな罠があります。
残念ながら基礎能力は必要
未経験でもやる気が…という意味には、採用する側も気がついていない必須能力が隠されています。それは「基礎能力」です。例えば、仕事で複雑な数式を取り扱うといった場合、採用時には高等数学の知識は不要なのは間違えはありません。しかし、算数や中学程度の数学の知識は暗に求められたりします。
製造業でも現場の最新鋭のロボットや汎用機、工作機械の知識は求められませんが、物を切ったり、穴を開けたりする簡単な工作技能は求めていたりします。
モラールマトリクス
人材を分析する方法として「モラールマトリクス」があります。ここで言うモラールとは「士気」や「やる気」という意味です。よく知られている「モラル」とは「道徳心」という意味で今回の「モラール」とは全く関連はありません。気が散るのであれば「やる気マトリクス」とでも言い換えてください。
モラールマトリクスは、横軸にやる気、縦軸に仕事ができるかを取って4つに分割した図のことです。そうすると、以下のグループが出来ます。
- やる気が高く、仕事もできる
- やる気が低いが、仕事はできる
- やる気は高いが、仕事はできない
- やる気も低く、仕事もできない
この4つです。
質問、どれが最も良い人、悪い人?
このマトリックスの4つの人材で一番良い人は? と聞かれた場合、
「やる気が高く、仕事もできる人」
と皆さん答えると思います。これは正解です。では、一番駄目なのは?と聞いた場合は
「やる気が無く、仕事もできない」
とすると思います。でも、これは間違えです。正解は
「やる気が高いが、仕事ができない」
です。
何故、やる気が高く、仕事が出来ない人が最悪なのか?
簡単です。仕事が出来ないのにやらせて欲しいと言うのに、毎回失敗ばかりで迷惑をかけるからです。 これって具体的にすると
- 口先だけで出来ない人
- アドバイスだけする人
- 能書きばかり、講釈垂れる系
- ご意見番
どうですか? いらない人材だと分かると思います。
小学生中学生の評価の勘違い
勉強が苦手でも、声が大きく率先して動く生徒児童って評価が高いです。大体は元気良い子、皆さんをリードする人、ムードメーカーみたいな形で高評価されます。
次に、勉強はできるが積極性がない人は、「あの子は勉強はできるのだが、積極性がない」と落とされてしまいます。
とりあえず評価方法として、元気がよいかどうかが先に見られてしまうという間違えがあり、このイメージが大人になっても引きずられます。
意識高いが出来ない人の対応
残念ながら相手しないのが良いと考えます。口で直そうと考えても、言い訳に近いことを返されるだけです。更に仕事も出来ないので教える必要がありますが、ここでも口先だけで覚えようとしないと考えます。
仕事できるかが先、やる気は後
まずはポジションにふさわしい仕事ができるかをチェックします。ここでだめな場合は採用はしないか、当人ができる仕事に配属させます。
次に、やる気があればリーダー的な仕事を任せて下さい。 もし、やる気がない場合は、リーダーの下で仕事をさせてください。 仕事はできるがやる気は無い人は、良いリーダーが指示すれば成果は出します。
仕事は出来ない、やる気がない人
任せる仕事を簡単にすれば、この人材は「仕事できるがやる気はない」に昇格させることが出来ます。 だから、人材として役立ちます。 下手にやる気が無いので、余計なことを考えることが無いので人材として使いやすいです。
- やる気が有り仕事もできる → リーダー的仕事を任せる
- やる気は無いが仕事はできる → 適切なリーダーの下に配属
- やる気も無いし、仕事も出来ない → より簡単な仕事を任せる
- やる気は有るが、仕事は出来ない → 害悪なので排除する
です。