かつてはすべての若者がクルマに憧れました。しかも、速い車です。フェアレディZやスープラなどの高級車が本当の憧れだが、金銭的な問題でコンパクトカーを選ぶという人が多かったのでは無いでしょうか? もちろん、目的は速く走ること。書店に行けば、今なら財テクとか自己啓発本が並んでいるコーナーにトップレーサーが書いたようなドラテク本が並んでいました。
時代が過ぎても、速さの願望だけは残る
昔と比べ、速いクルマの憧れはなくなり、ワゴン、ミニバン、クロスオーバーとより快適性が求められるようになりました。ただ、それでも速く走りたいという願望は残っています。
なぜ速く走りたいのか?謎ではあるが、何らかの競争意識と負けてはいけないって考えはあるのではと考えます。
速いクルマというものに対する願望は無くなっているが、速く走らないといけないという願望というか見えない力からの圧力は残っています。
クルマは人生二番目の資産
人生で一番高い買い物は何か?異論なしに「住宅」というのでは無いでしょうか? そして、二番目に高い買い物と言ったら「クルマ」じゃないでしょうか?
その二番目の資産は本来守られるはずです。しかし、「速く走らないといけない」という無意味な競争心というだけで多大なリスクに晒しています。
でも、冷静に考えてみてください。その謎の競争に勝利したとしても得られるものは何も有りません。峠道を速く走ったところで何も得られません。同乗者には運転が上手と言われるどころか、次から怖がられて乗ってくれないだけです。
クルマの運転は資産運用術の一つ
資産運用の入門書を読むと本の半分をあることに費やしています。積極的な運用法やデイトレードのハードウェアの説明など有りません。
「どれだけ節約できるか?」
というレクチャーが前半を占めます。そう、資産運用術の本で書かれていることは、積極的な防御です。では何を防御するか? 普通は所有している財産です。では具体的に何か?
- 自分自身、人間関係
- 住宅
- クルマ
買えるものという意味では、住宅が一位、クルマは二位です。だから、クルマをできるだけ傷つけずに安全に乗ることが出来るかも、資産運用術です。
リスクは速度の二乗
40キロ制限の道を50キロで走行する。感覚的にリスクは50÷40で1.25倍と大したことはない。これは誤解です。正しく計算するのはお互いを二乗して割ります。
50キロは二乗して2500、40キロは二乗して1600です。これを割り算すると2500/1600で1.5625となり1.5倍のリスクです。
速く走れば目的地まで短時間で到着出来ますが、信号や渋滞などで遅く走っても同じ時間で到着ということが多いです。こう考えると高いリスクを取って走行することは無意味と考えます。
具体的に事故で失うもの
仮に物損とすると、保険の等級は上がります。これにより保険料が上がります。そして、クルマは事故車となるので期待していたリセールは見込めません。全損ならゴミになります。次のクルマも買う必要もあります。
一方で速く走って得られるものは全く思いつきません。なので、資産運用術としてクルマはゆっくりと運転するという方法は非常に効果的です。