タイトルを見て、「昔ながらの部下は上司の命令を聞け」とか「トイレには神が宿っている」という話と勘違いしたのでは無いでしょうか? また、その勘違いを正してやろうって気持ちが有ったかもしれません。残念ながら(幸運なことに)そんな記事ではありません。
部下を正しく使えない
会社はできる人を評価します。これは当然ですが、ある意味誤りです。理由としては必ずしも素晴らしい選手が監督の素質が有るわけでは無いからです。野球で言えばイチロー氏や松井氏が監督になっていないのと同じです。どちらも野球を知らない人でも素晴らしい選手だというのは知っていてもです。
スポーツの世界で名プレイヤーが監督やコーチなどチームをマネジメントする側に回る例は少なく、多くは監督としての才能が有るから監督になっているということです。
一方で、会社では「良いプレイヤーは良い監督」という考え方を必ず採用しています。個人プレーが得意でずば抜けた営業担当が昇進することは当たり前で、周りもおかしいと思いません。実はそれが部下を正しく使えない理由です。
余談、プレイングマネージャー幻想
プレイングマネージャーという言葉があります。意味は、実業務をやりながら他のスタッフの管理も行うというものです。これに関しては全員が良いことだと思ってくれます。
「あの上司は平社員と同じような雑用もこなす」「常に現場にいて陣頭指揮をする」と聞けば絶対に良いと感じないでしょうか? ドラマやアニメなどの創作物でもプレイングマネージャーは良い人だと描かれることが多いです。『銀河英雄伝説』ではそれが極端で、トップは危険な場所で兵士とともに戦わなければいけないとしたり、安全な場所で指示をする政治家やビジネスマンを最悪な人と描いています。まあ、創作物ですが名作と言われるフィクションはある意味座右の銘とされることも多いので注意です。
実際はプレイングマネージャーという考えは、人を搾取するという方法論として使われることが多いです。いわゆる「名ばかり役職」と言われる制度で、マネージャーも実作業を行うことで、一人分の人件費を実質上削減できるという考えです。実際は創造性は極端に下がるので、定型作業を行う業務でしか採用はされていません。
ひどい組織では、上司の査定も本人自身の営業成績が加味されています。そんな組織だったら絶対にプレイングマネージャーどころか、「マネージャーという肩書の単なるプレイヤー」となってしまいます。
上司は渦に巻き込まれない
「上司は渦に巻き込まれない」という言葉もあります。何かトラブルが発生していた場合にリーダーや上司と言われる人がそのトラブルの対策を自らしてしまうことです。トラブルではなくても部下が忙しそうであればその作業を手伝ってしまうことなどもあります。
この渦に巻き込まれないという考え方は、リーダーや上司には必須の考え方です。理由としては、上司が部下に対してやらないといけない作業を完全に放棄しているためです。
上司の仕事は部下の障害除去
プレイングマネージャーや渦に巻き込まれるのが上司の美徳だと思っている人は、仕事の多くを部下と同じ仕事で助けるということをやっています。
そして、部下には実作業以外の管理的業務も行わせています。例えば「備品の調達」という部分では、上司が気が付くと言うより部下が少なくなったことを把握して注文を掛けるということをしています。コピー機やファックス、パソコンのバックアップなどの面倒も部下が行っていると思います。今では無いかもしれませんが、お茶くみと言って上司の飲み物の提供まで部下が行ったりします。
実はこれらは間違えで、上司は部下がスムーズに動けるように障害を除去する必要があります。コピー機、ファックスの保守契約の確認、パソコンの定期的な交換、データバックアップの研修、備品の調達などは全て上司が行うべきことです。
上司は実作業をしない
例えば、部下が出張に行く場合に大体の組織では、部下が全ての調達や根回しをします。じつはこれが間違えで、指示を出す上司が必要機材の調達、関係部署への根回し、部下の責任範囲外の調整や交渉を行う必要があります。
部下としては、水道の蛇口をひねると会社の資源がストレスなしに得られるという状態です。上司としては、水道の蛇口をひねったら会社の資源がスムーズに得られる環境を作ることです。 決して、上司は蛇口をひねってはいけません。
ロボット掃除機でトレーニング
リーダーや上司になる前に、ロボット掃除機を手に入れて自宅の掃除を行わせると前もって感覚を理解できると思います。
まず、ロボット掃除機とともにプレイングマネージャーをすることは単なる馬鹿です。そう、ロボット掃除機と一緒に床掃除をすることです。想像するだけでも笑えると思います。
それより、ロボット掃除機を動作させる前の環境整備が必要です。スリッパやコード類、小さなマットやドアの開閉などです。充電管理、ブラシの定期的なメンテナンスや交換も必要です。
「渦中に巻き込まれない」という考え方も、適切に利用していれば出来ます。エラーが発生したり、コードが絡みついて止まっているから対応すると言うのは「渦中に巻き込まれる」だめなリーダーや上司です。
初任給でルンバ
初任給でなにか買うと思いますが、ルンバなどのロボット掃除機がお勧めです。理由としては「擬似的に部下を持てる」からです。そして、環境さえ整備すれば床掃除に関する時間がほぼ無くなるためです。
出かける前にボタンを押せば、外出中に掃除をしているので時間は奪われません。帰ってきたら掃除機の中のゴミを捨てるだけです。
この、環境を整備して、自分は実作業をしないという運用方法を覚えれば今後役に立つと考えます。
トイレ掃除もロボットに
最近では便器自体の自動清掃機能が進化しています。水の流れで表面に付着した汚物を除去します。そんな掃除機でもトイレの床は掃除されません。
じつは、この場所こそロボット掃除機の得意分野です。と言っても「ブラーバ」という床拭きロボットです。これも、トイレの使用後に動かすことで丁寧に拭き掃除が行われます。
まず、自室をブラーバでモップがけして、その後にトイレを拭けばパッドが無駄になりません。週に一度は自宅全体をブラーバしてみたらどうでしょうか?