皆さん、正義感は持っていますか?
当然と言われそうです。でも、残念ながらその正義感が浪費を生んでいる事実もあります。正義感が浪費を生む理由としてはそれが無駄な行動だからです。無駄な理由は私達に正義感を求められていないからです。求められていないから、変な正義感がウザがられるわけです。だからといって、不正行為を認めるのかという意味ではありません。当然、不正な行為は行ってはいけませんが、ここで言っているのは、他人の不正行為に関する正義感です。これが無駄だと言っているわけです。
第一章 元警察官の話
元警察官から聞いた衝撃的な話としては、警察学校で正義感は間違えである事を教えられると言うことです。現場警察官には正義感はありません。これは警察が正義ではないという意味ではありません。警察は正義です。では、警察官に正義がないと言うのはどういうことなのだろうか?
実は、警察官は行政官として決められた通り動いているということです。警察官は目の前の犯人を悪いと思うから逮捕するわけではありません。警察官として与えられた手順を実行しているだけです。あと、警察学校では踊る大捜査線の青島さんを反面教師としてネタにしているとも言っていました。よくドラマである、警察官の独断で犯人のアジトに侵入して凶悪犯を銃殺したという話は単なる命令違反として処分されるとのことです。警察官ですらそういう方針ですので、一般人は正義感を持たずに通報する程度で良いと考えます。電力会社のパンフレットにある
「切れた電線を見たら触らずに電話して下さい」
と同じです。
切れた電線を自分で対応すると感電して死にます。これと同じように、一般人が正義感を出すとウザがられます。最悪、犯人に殺されます。
第二章 一個人に正義感は無い
警察には正義感があるが、警察官にはないと言う事は他でもいえます。全ての人は何らかの仕組みに属しています。一人親方みたいな人も誰かから仕事を受けているわけです。会社も別の会社から仕事を受けています。その関わっている仕組みは完璧ではありません。何か問題があります。ただ、幸いなことにその問題点より利点がはるかに大きいので、その仕組は動いています。この中での正義と言うのは些細な問題に対して過敏に反応しているということです。これは人生の無駄です。理由は2つです。
一つは一個人では大きすぎる解決できない問題だからです。
二つ目は冷たいですが、そんな義務など与えられていないからです。
そう、一個人の正義感など無理だし、求められてもいないわけです。だから、なにか悪いと感じて正義を感じた場合は気をつけて下さい。
第三章 自分の問題解決で全体が解決します
警察に正義感があるのは、警察官に正義感があるわけではありません。でも、全体で正義があるのは、それぞれの警察官が決められた職務をこなしているからです。これと同じように、私達も自分たちに与えられた義務をこなせば、全体の問題が解決します。自宅の窓が割れた状態で、他人の割れ窓を指摘するのはウザがられます。また、求められていません。でも、あなたが自宅の窓を直せば、他人も修理します。飛行機の非常時の対応方法で良い言葉があります。「まず、自分の酸素マスクを付けてから、他人にマスクを付けて下さい」
です。行動指針としては非常に良い言葉です。まず、自分の問題を解決して欲しいと言うことです。これをもう少し深く考えて、どうして航空会社はこんな案内をするのだろうか?
と考えてみて下さい。そう、皆さん、自分の問題解決の前に全体の正義感を考えてしまうということです。自分勝手は正義ではない、自分より周りの人のマスクを付けるべきだと言う考えです。これは、間違えです。実は自分勝手な方が正義です。皆が自分勝手に自分のマスクを最優先で付けたらどうでしょうか?
何も問題なく全員のマスクが装着されます。各個人が最優先で自分の行動をすれば問題ないわけです。では、なぜこの様な事が出来ないかというと、単に教え方が悪いだけです。よくあるのが、間違ったチームワーク教育です。無作為にグループを作った場合に本当に能力がない人が混ざってしまいます。この場合、その人だけが課題をこなせずに、残りのメンバーのチームワークが悪いと指摘されます。これこそが間違えのもとです。個人の能力不足がチームワークの力で改善されるわけなどありません。このチームワーク研修で残るのは、能力のない一人は何も解決されないし、残りの出来た人も変な罪悪を植え付けられるだけです。
まとめです
第一章 元警察官の話
- 警察官には正義感は無い
- 警察官は行政官
- 組織としての警察は正義感がある
第二章 一個人に正義感は無い
- 社会の問題はあなたの責任ではない
- 全体の問題は個人では解決できない
- 個人に正義感は求められていない
第三章 自分の問題解決で全体が解決します
- 自分の問題解決を優先する
- 他人を指摘しない
- チームワークは幻想です
比較的人工的な仕組みで複雑なものとして、ゲームのマジック・ザ・ギャザリングという物があります。複雑性が高いので色々な研究のモデルとして使われています。このゲームでは追加のカードが販売されますが、既存のカードとの不整合が発生します。その場合は禁止カードとなりますが、年に10件位報告されます。こんな人工物の修正でも問題が発生するわけなので、それより複雑な社会システムに問題があるのは当然です。その絶対に解決出来ないはずの問題に立ち向かってしまうのが正義感という誤った考えです。ただ、いきなり正義感を捨てるように言われても無理です。だから、行えるのは自分の問題を最優先で解決することです。食べ放題のバイキングで人の料理を取ってくる親切な人がいませんか?
これが代表的な正義感の弊害です。単にうざい人です。避難指示が出て、一人で事前に指示されていた場所に逃げたが、仲間が現場であなたを探して怪我をしたと言う話も聞いたことがあります。これも、皆が正義感ではなく自分の問題を解決していれば、全員が怪我をしなかったわけです。
あるレーシングドライバーが、チューニングした足回りよりノーマルのほうが良いと言っていました。これも当たり前の話で、大企業の研究室と個人の店の大きな差です。
国家もゲームもクルマも非常に複雑な仕組みです。簡単に解決できそうな問題を解決したら、100件位の問題が出てくるのは当たり前です。
最後に幸いな事実です。
自分自身の問題も相当に複雑です。だから、それだけでもやることが無くて暇ということにはなりません。正義感捨てて、まずは自分自身の問題解決から行えば無駄な行動が減り貯金できます。