時間とお金を節約するテクニックが多く紹介されていますが、7つの習慣が言うには、「診断せずに処方を下す」という自分のメガネを渡す医者に近い物が多いです。
つまり、色々な節約テクニックは害がなくても根本を解決しないことが多い物が多いです。よくあるのが「先に貯金をする金額を確保する」というものがあります。
一見良さそうなテクニックですが、出費が多ければ、その最初に確保して貯金した金額を引き出してしまうだけです。 そう、出費を減らしたければ出費自体を減らすしか無いのです。
好きなことをやらないと貯金が増える
まず、私が言う「好き」とは単に好意を持ったことです。人って嫌悪感を示すものはごく一部であり、ほとんどのものは好意を示します。
心の中の全世界を円で書いた場合、錯覚として「好き嫌い」が丁度二分化されたような絵を思い浮かべます。 しかし、それは間違えです。
確かめる方法は非常に簡単で、雑誌やニュースの記事で、「嫌なもの」がどれだけ有るかを数えながら見てください。ごく一部の記事やコーナーだけが嫌いであったことがわかります。
そう、見聞きしたことの殆どを好きだと感じてしまうわけです。だから、テレビや雑誌などメディアで紹介されたものを体験したくなります。
だから、好きなことを相手していると際限なくお金が減っていきます。ただ、好きなことを無視していればお金が減る量が減ります。
これが、好きなことをやらないと貯金が増えるという理屈です。
では好きなことを分析すると
休日になったら、家でぼーっとしていることに恐怖を感じて、昨日テレビでやっていた「行列のできるラーメン店」に並んでしまいます。ラーメンは好きですが、大好きかと言ったらそれほどでも無いのにです。
このように、好きなことを相手していると、ラーメン以外に、面白そうなイベント、新しいゲーム、アトラクションやアクティビティなどに飛びつきます。ベストセラー本も好きなら買って読みます。百均の便利グッズがテレビで紹介されれば当然買ってしまいます。
会社でボウリングやキャンプに誘われたら、好きであれば一緒に行ってしまいます。
これが、好きなものの正体です。
好きをやめたら何が残る?
好きをやめると何が残るのか? それは「大好き」と「必要」です。まず、必要は簡単に理解できると考えます。仕事着、移動用のクルマ、仕事道具、業務知識の本、洗濯機、冷蔵庫、ガスコンロ、電子レンジなどです。つまり、なくなったら生活に困る道具類のことです。
そして、残るは「大好き」なものです。これも実は簡単に分析が可能です。
まず、大好きだと言っている物を義務感で接している場合は間違えだと考えてください。例えば定期的にクルマを動かさないと調子が悪いから! という義務が発生したらそれは好きなものでは無くなっている証拠です。
同じように、「聞かないといけないCDコレクション」「観ないといけないDVDボックス」「ホコリが被ったロードバイクを来週末乗らないといけないな」って義務感が表に出るのであればそれはもはや「大好き」ではありません。
大好きと必要以外は手放す
つまり、好きを手放すということです。職場のレクリエーションにも全て参加する必要も無いし、義務感を感じた「元大好きなもの」に未練を感じる必要はありません。
でも、「ゴルフは大好きじゃないが接待で必要だし」とか「社内交流のために時々は飲み会に参加する必要がある」というものはどうするのか? 実はこれは「必要なもの」と考えてください。だから、これも手放す必要はありません。
診断なき処方には注意を
冒頭の「診断せずに自分のメガネを渡す医者」の行為は「診断なき処方」と言います。この例えは誰でも「デタラメだ」と理解できます。しかし、多くは過剰に提供される「処方」を診断なしに受け入れています。まるで、○○に良いサプリメントだから飲むという行為です。本来、サプリメントもその栄養素が不足いた場合に使うべきである。しかし、十分その栄養素は足りていて別に問題の原因が有るのに使ってしまうという間違えがあります。
この手の本は悪いとは言わないが、読者は理論より、読みやすい処方に注目する。スマホを白黒にが有名。
今まで一度も日曜大工をやったことがない人が、ホームセンターでよく切れるノコギリの実演につられて買ってしまうようなものです。そんな人が買っても金の無駄です。当然、不要なものが一個増えます。
多くの書籍は処方だけ書かれている
7つの習慣はロングセラーですが、読むのが難しいと言われています。その理由として、いきなり処方されないからです。実は7つの習慣って「処方箋」ではなく「診断方法と自分に対する処方箋の書き方」の指南書であったりします。
一方、ベストセラーになってすぐに忘れられる一発屋系の本は、テクニックを「処方」されます。 ミニマリストの本では「テレビを捨てろ」「クルマを手放せ」、ライフハック本では「スキマ時間を無駄にするな」「倍速音声を活用」「このアプリを入れよう」、整理術の本では「デッドスペースを活かせ」「三角コーナーは使うな」「本棚は手前と奥で両方活用」などです。
それらの処方はテクニックとしては間違えはありませんが、7つの習慣の眼鏡と同じです。そう、適切な度数でも無いし、老眼や乱視なども考慮されていません。
聞き取り能力が劣る人に倍速音声、三角コーナーを有効活用している人に捨てろと言う、一覧性を重視している人に本棚の奥も使え…度数の合っていないメガネを無理やり使わせる行為です。
最初の診断は、捨てる予定の好きを見つけること
人生の整理をしたい場合は、最初に「好き」を見つけることから初めてください。方法としては最近行ったこと、買ったことなどを思い出すことです。私の場合は「ラーメン店めぐり」でした。
次にラーメン店めぐりが、必要か大好きかを考えます。必要でないことは簡単にわかります。では、大好きであるかと考えてみます。私の場合は大好きでは無いと考えました。
そうすると、ラーメン店めぐりは人生の楽しみから取り除くことが出来ます。別に「ラーメン店を処断しろ」って言っているのではなく、週末のやることリストからラーメン店巡りを消すだけの話です。だから、友達から「ラーメン食べに行こう」って言われた場合は、「友達と交流することが大好き」であれば行ってください。
このように、思いつく行動を少しずつ減らすことをやっていきます。
見たものを「大好き」「必要」と即答できる
全ての持ち物に対して「大好き」と「必要」を即答出来るようにしてください。渡しの場合だと「工具箱は持ち物の保守のために必要」「電卓は計算のため必要、そして後ろには好きな人の生サイン」「メトロノームは大好きなボンゴのため」「イヤホンは必要」というように言えます。
これで、大好きでも必要でも無い「好きで買ったもの」が分析できると考えます。そして、それは処分または見えない場所に置いておき、忘れた頃に処分してください。
これで、物事含めて『好きなことをやらない人生は最高』という状態に近づけるのではと考えます。