「テクノロジーの力で、町全体をスマートに~未来を支えるIBMメインフレームの価値~」ブロガーミーティングというイベントに参加しました。AMNさん開催のイベントです。
IBMというとコンピュータのメーカという認識でそれ以上でもそれ以下でも無いと思います。 また、近年ではパソコン部門をレノボ社に売却したのでより、一般の人から遠くなった会社でもあります。
IBMは何をやっているの? 動画を見る
大雑把に言うと、向こう側のコンピュータを作っている会社です。インターネットを楽しむには、パソコンやスマートフォンを買う必要がありますが、それを接続するサーバと呼ばれるコンピュータが、ネットワークの向こう側に必要です。
- MixiやグリーのようなSNS
- モバゲータウンのようなソーシャルゲーム
- Yahoo!オークションのようなサービス
- Googleなどの検索エンジン
- 企業のサイト
などは、どこかで仕事をしているコンピュータが必要です。 画面描画などの処理は手元のパソコンやスマホで行われていますが、重要な処理の大半はサーバと呼ばれるコンピュータで行われています。
IBMはそのサーバで動作するコンピュータの機械や仕組みを提供しています。 ちなみにIBMとはInternational Business Machines の略称で、適当に日本語に訳すと、「国際的な仕事をするための機械」という意味です。 この言葉からわかるように、コンピュータ専門の会社でなく、仕事を効率よく遂行するための何かを作っている会社でもあります。(現在、コンピュータ関連を手がけているのはたまたま?)
メインフレームとは? 動画を見る
IBMの得意分野の1つとしてメインフレームと呼ばれるコンピュータがあります。メインフレームも向こう側のコンピュータの一つのシステムです。 サーバと呼ばれるコンピュータもありますが、メインフレームは非常に信頼性のあるシステムでコンピュータ自身が故障しない仕組みを備えています。IBMではSystem-zと呼ばれるメインフレームを製造販売しています。
メインフレームとサーバの違い?
どちらも、コンピュータに違いは有りませんが、生い立ちが違います。 サーバはパソコンから変化したコンピュータです。 一方、メインフレームは最初から他のコンピュータの仕事を受けるために生まれて進化しているコンピュータです。 サーバは非常に自由なプログラミングが可能ですが、プログラムのミスによって故障する可能性が非常に高いです。 一方、メインフレームはプログラムのミスを行なっても、該当のプログラムの機能だけ故障するだけで、他の機能は故障しません。 また、大量のデータを入出力することを考えられています。
- サーバ
非常に自由なプログラムを動かすことができますが、プログラムがミスした場合、他のプログラムを巻き込んで故障する可能性が高い。
データを外部にやり取りする回線が普通のパソコンとほぼ同じなため、処理が遅いです。 CPUだけ早くしても、そのデータを早く取り出せないと仕事は早くなりません。
生立ち:ダム端末→パソコン→サーバ - メインフレーム
全てのプログラムが管理されており、もしプログラムがミスしてもそのプログラムだけが異常になるだけで、他のプログラムやメインフレームは正常に動き続ける。
メインフレームで処理したデータは、高速な回線で他のコンピュータやプログラムと通信できます。 このため、処理したデータを効率よく他のプログラムに渡すことができます。
生立ち:最初からメインフレーム、生粋な人生?
メインフレームとIBMが目指す、スマーターシティ
IBMが目指すスマーターシティとは、ITを使って地球規模の人間に課せられた課題を解決してよりよい社会を目指す活動です。 スマーターシティを実現するには従来のサーバよりメインフレームのほうがより近道です。
スマーターシティーにはいろいろなものがありますが、その1つとして、デマンドレスポンスという考えがあります。 デマンドレスポンスとは要望があったときに必要なものを供給するということです。供給する側は提供する側からの要望で、サービスを迅速に提供する仕組みです。
確実なデマンドレスポンスを実現するには
- 要求を確実に早く伝える力
- 確実な需要予想
が必要になります。 今まで、これらのことが中途半端だったので、「在庫」というソリューションを使って解決していました。 この在庫が実は社会悪だということが分かって来ました。在庫は以下の問題を発生します。
- 賞味期限を過ぎた在庫は破棄される
- 製造されてゴミ箱に行く商品でも製造コストや物流コストが当然かかる
- 物流の在庫とも言える、空コンテナーの増加、稼働率の低い貨物車
スマーターシティを実現する方法として、確実にデマンドレスポンスを処理する必要があります。しかし、これを行うには分散された大量のデータをリアルタイムで処理する必要があります。 一箇所にあるデータを処理するだけであれば、チェスが強いディープブルーのようなコンピュータで良いですが、必要なのは分散されたデータを効率良く集めて処理する方法です。
これを実現するのがSystem-zです
もちろん、これが絶対では無いですが、IBMの結論はSystem-zです。 サーバも処理速度は同等ですが、パソコンから進化した装置であるので、処理したデータを高速に取り出すことができません。 一方、System-zは処理したデータを高速で外部や内部の他のプログラムに転送することができます。 つまり、スマーターシティーに必要な、分散したデータを効率よく集めて処理し、また別れたポイントに適切に指示を行う事が得意なコンピュータと言えます。
大雑把なSystem-zの特長
従来の汎用機としても使用可能であるが、拡張することによってx86アーキテクチャなども動作させることが可能である。 x86ベースのサーバと比べると内部データ回線が太いので処理したデータを効率よく別プログラムへ転送することができます。
最後に
今回はブロガーミーティングとしては異質のB2Bのイベントでした。 非常に濃い話を聞けましたが、正直不満点が有りました。 それは、低レベルな話なのか高レベルの話なのか定まらなかったところです。 私としてはSystem-zの詳しい話(低レベル)を期待して居ましたが、流れ的にはスマーターシティーというハイレベルな話が多くなっていました。 スマーターシティのビジョンを語るイベントに特化するのが良かったのではと思います。 (又はx86アーキテクチャ vs System-z的なレベルの低い話をガンガンするイベント)
動画付録
イベントの雰囲気
IBMのプレゼンは柔らかい
注意
ここで書いた私の記事はIBMのイベントで聞いた話し+私の解釈を付け加えています。 一部、IBMさんの方針と異なる事が予測されます。 スマーターシティーやSystem-zに関心がある場合は日本IBMの担当者とコンタクトを取ってください。
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